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錆と戦い続けるオヤジのコラム

「第6回」身近な防錆技術についてのお話③

カテゴリ:【その他技術屋の解説

アドコート㈱技術部の秋山です。

第6回は錆を防ぐ技術ではありませんが、錆びない金属ということで、「金」についてお話したいと思います。

 「金」はその見た目の綺麗さや、錆びない、変色しない特性により、古くから装飾品や高価な資産として重宝されてきました。

 「金」は工業用の素材としても価値が高く、家電製品などの電子回路基板に使用されています。

 現在、世界の金の主な生産地は中国、オーストラリアなどの鉱物資源の多い国ですが、日本でも鹿児島県の菱刈金山などで金鉱石の採掘がおこなわれています。

 特に菱刈金山から採掘される金鉱石には1トンあたり30~40gの金が含まれており、世界の平均的な金鉱石の約10倍の濃度であることが有名です。

 又、世界の埋蔵量が決まっており、その価値が上昇し続けています。

 

「金」は銀や白金(プラチナ)と一緒に貴金属と呼ばれています。

貴金属は、定義にもよりますが、イオン化しにくい(化合物を作りにくい)性質があるために、貴な金属と呼ばれ、錆びや変色しにくい金属です。反対にイオン化しやすい金属を卑な金属と呼びます。

 

貴金属の中で最も錆びにくい性質をもつ「金」ですが、純金は現物資産としてのインゴット等に使われますが、装飾品ではあまりみかけません。

 

ではなぜ装飾品には純金が使用されないのか。

純粋な金は柔らかく、変形しやすい性質があります。金箔はその性質を利用して、金をたたいて伸ばして製造しています。

つまり指輪などで使用した場合、衝撃等で変形してしまう恐れがあることから、純金の金は指輪などにあまり用いられません。

その代わりに金の割合を75%にした18Kが使われるのが一般的です。

ちなみに18Kという表現は金の割合を表したもので、100%を24Kとして、そこから金の割合が24分の1(約4.17%)減ると、23Kになり、さらに下がるにつれ、22K、21K...となります。

つまり18Kは金の割合が75%であることを意味します。

18Kにすることで、加工に適した硬さを持たせることが可能になり、装飾品として使用できる耐久性を得ることができます。

では、18Kなら金の割合は75%ですが、残りの成分にはどのようなものが含まれるのでしょうか。

 

一般的な18Kは、イエローゴールドと呼ばれる、金75%、銀15%、銅10%の割合の合金となります。

近年では装飾の為に様々な金合金が存在します。

以下はその一部です。※色味はイメージです。

第6回コラム画像.png

金以外の25%を調製することで色味に変化を出すことができます。

銅を添加すると赤みが増し、パラジウムを添加すると白みが増します。

耐腐食性の観点から考えれば、金、白金、パラジウム、ロジウムは非常に耐腐食性が高く、ほとんどの環境で錆や変色が発生することがありません。

逆に、貴金属の中でも銀は硫黄と反応して、黒く変色することがあります。

 

以上、身近な防錆技術~「金」は錆びない~でした。

装飾品を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

 次回は細川の担当になります。

【秋山】

参考:住友金属鉱山株式会社HP(菱刈金山)http://www.smm.co.jp/special/hishikari/

   外務省HP(金の産出量)https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/gold.html

  • 技術屋の解説「さび(錆)って何やねん?どないして防ぐん?」更新中
  • ■著者情報

      細川 (ほそかわ)
    • 略歴
      大学院 工学研究科 応用化学専攻 修業
      大学/大学院では、水の中での有機反応 [酸化反応]を研究
      2010年アドコートに入社 現在、防錆紙の劣化などを研究 [年単位での長期劣化試験などを行っている]


    • 秋山 (あきやま)
    • 略歴
      工学部 化学工学科卒
      大学時代は廃棄物からの稀少元素の回収プロセスについて研究
      2017年入社
  • 「錆と戦い続けるオヤジのコラム」~全17回~
  • ■著者情報

      清水良直(しみずよしなお)
    • 略歴
      長野県出身1947年生まれ
      大学で界面化学を履修し,ごく微量の化学物質によるさまざまな現象に興味をおぼえた。
      社会人になって6年目に「防錆紙(ぼうせいし)」と出会い,金属のサビをごく微量の化学物質で防止する技術に感動。 以来,社内での出世を棒に振ってまで,研究や新製品の開発に従事しながら,業界団体での活動にも参加。
      会社を辞めた後も業界団体の教育活動「防錆技術学校」の講師として,防錆管理士を目指す若者の教育・指導を行ってきた。今は、教え子に講師の仕事を託し、研究活動に専念している。
      2002年、アドコートの技術顧問に就任。
    • 主な雑誌投稿や著作
      防錆管理……防錆紙に関する解説記事,研究発表など
      コンバーテック……「防錆包装再考」シリーズ
      防錆技術学校……「気化性防錆材」などの教科書
    • 日本工業規格の制定・改正
      JIS Z 0303,JIS Z 1535,JIS Z 1519,JIS Z 0320,JIS Z 0321
    • 防錆についての想い
      金属製品の一時防錆にかかわってきた経験や技術をつうじて社会に貢献するとともに, 技術を伝承することによって後輩たちの育成に努めたい。
    防錆について、防錆紙についてなど、サビに関する事なら何でもお問い合わせ下さい!防錆油より手軽に防錆したい、自社製品の材質にあった防錆紙の提案がほしい、防錆フィルムより強い防錆力が欲しい、そんなお困りごとを解決します!お気軽にご相談ください。お問合せフォームはこちら
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